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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第17章 同じ時を※


「……っ」
「どうした」
「や…、これは、ちょっと恥ずかし過ぎて寝られないんじゃないかと……」
「慣れろ」
「そう言われましても」

「この先は、ずっとこうだ」

義勇は琴音の手をどかして、彼女の顔を覗き込んだ。琴音が恥ずかしそうに義勇を見上げると、義勇は優しく微笑んでいた。

「おやすみ、琴音」

義勇は琴音にそっと口付けをした。

「おやすみなさい」

琴音がそう言うと、義勇は満足そうに頷いて目を閉じた。徹夜任務開けだった義勇は琴音が思うよりだいぶ疲れていたようで、少しするとすやすやと寝てしまった。

その整いすぎている顔を見ながら、こんな状況で寝られるはずないじゃないっ…!と思っていた琴音だったが、義勇の温かさに吸い込まれるように次第に眠気がやってくる。


『この先は、ずっとこうだ』

義勇はそう言った。


ずっと一緒に寝るの?
ずっとずっと一緒に居てくれるの?
あなたとこの先、ずっと一緒に…同じ時を過ごしていきたい………


優しくて、でも多少強引で、実はとっても甘えん坊な男の人。もう長い付き合いになるけれど、特別な人になってからはまだ日が浅い。それでも既に、こんなにも愛しくて仕方ない。


「……ずっと一緒に居てね」

琴音も目を閉じて義勇の胸へと頭を寄せる。既に夢の中にいる義勇が、彼女の頭を撫でた。
温もりという安心感の中で、琴音も程なく眠りについた。


こうして、琴音と義勇の『初めてのまぐわい』は終了した。二人の関係と絆がより深いものとなった一晩が終わる。二人はこの夜を忘れないだろう。

お疲れ様、とでも声をかけるかのように、静かな夜が眠る二人を包み込んでいた。


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