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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第17章 同じ時を※


琴音はだるい体を起こして、着物を羽織ろうと手を伸ばした。下腹部がズキリと痛んだ。

「…いっ……、」

思わず前かがみになる琴音に、義勇は着物を被せてやった。

「ありがと」
「………大丈夫か」
「うん。平気……って、やだ!敷布が!」
「気にするな」
「ひぇぇ、ごめんなさい。血のシミは落ちないよねぇ、どうしよう」
「お前のせいじゃない」
「お布団にまで染みてないといいけど、大丈夫かな」

琴音は初めて自分の出血に気がついた。通りで痛かったわけだと逆に納得した。慌てて布団から敷布を外して状況を確認する。

義勇は押し入れから新しい敷布を出した。

「取り替えればいいだけだ」
「でもこれお洗濯してもらったら、千代さん絶対に勘づくよね。ばれちゃうよ」
「? 別に構わない」
「構うよ!恥ずかしいじゃん!!今度私がこっそり洗濯するからお部屋に置いといて」

羽織った着物を前で合わせながら証拠隠滅を図ろうとする琴音。傷付いた自分の体より、汚れた布団や周りへのことばかり考えている。
義勇は己も着物を羽織り、琴音の手を取った。

「風呂だ」
「え?」
「行くぞ」
「え、ちょっと、待って」
「歩けるか?無理なら抱き上げる」
「あ、歩けるよ。って、一緒に入るの?」
「ああ」
「やだ、ちょっと!」

腕を引っ張り上げられて立たされる。手を引かれて歩くとやはり下腹部が痛んだ。それに気付いた義勇はヒョイと彼女を抱き上げて風呂場へ連れて行く。

「歩けるって!」
「無理するな」
「……っ」
「まず何よりもお前が優先だ。風呂で体を綺麗にする。出血もしてる。清潔を保たないといけない」
「……義勇さん」

脱衣所で着物を取られ風呂場に連れて行かれる。
湯はぬるくなっていたので、手桶に布を浸して身体を拭いた。義勇がやろうとするのを必死で止めて、琴音は自分で身体の汚れを落としていく。

出血も止まり、身体を守るためにとろとろと出てきていた愛液も落ち着いた。


石鹸で泡泡になった手桶のお湯を換えていると、義勇が後ろから抱きついてきた。


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