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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第3章 戦いの先に


「炎の呼吸、壱ノ型、不知火・改!」

琴音は力強く踏み込んで敵に向かう。そのドゴォンッという音が、義勇の耳にも聞こえた。

まだ腕の短い琴音は、右手だけでは抜刀できない。左手で鞘を後ろに投げ捨てながら刀を抜き、素早く飛び込んでいく。
袈裟斬りの後、琴音は直ぐさま刀を返し、横一閃に薙ぐ。不知火の連撃だ。袈裟斬りは布石、琴音はこの二撃目で鬼の下顎を捉え、切り落とした。

「――っ!!」
「これで毒液、ぴゅって吐けないね」

にやっと笑う琴音。
鬼もすぐ回復しようと動き出す。メリメリと音を立てながら顎を再生していく。

「させないよ!弐ノ型、昇り炎天!」

琴音は追撃をして、鬼の回復を阻止していく。


鬼は琴音に攻撃を繰り出した。爪での攻撃。そして、その爪は不意に、変速的に伸びて彼女に襲いかかってきた。毒液と同じような色をした爪。おそらくこれにも神経毒があるのだろうと予測する。

伸びてくることを知っていた琴音は難なく躱して、反撃の手を出した。
下顎のない鬼は喋れないが、驚いているようだった。

「やっぱり持つべきものは、仲間だよね」

琴音は戦いながらそう呟く。

「情報って、大事」

伸びる爪を余裕を持った間合いで避けて、「炎の呼吸、肆ノ型、盛炎のうねり」と爪を切り落とす。
そのままの勢いで鬼の懐に飛び込む。

「さよなら」

ザンッ……という音を立てて、鬼の首を切り落とした。鬼はさらさらと朽ちていく。

「……今度生まれてきたら、友達できるといいね」

彼女はそう言って、鬼に背を向けた。


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