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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第16章 一緒に


明け方、義勇が帰宅した。そっと琴音の部屋を覗くと、琴音は寝ていた。部屋は綺麗に片付けられており、寝間着姿の彼女は人形を抱いている。夜は千代もいない。一人で寝るのは不安だったかもしれない……と義勇は思った。

義勇も湯を使って、睡眠をとる。疲れていたのですぐに眠りにつくことができた。

朝になると鴉に起こされる琴音。ぼんやりしながらのそのそと準備をする。義勇の部屋を覗くと彼は寝ていた。義勇の寝姿を見るのは子どもの時以来なので少しドキドキしたが、起こさないようにそっと戸を閉める。が。

「……仕事、か?」
「あ、ごめん、起こしちゃった。寝てて」

義勇が眠い目を擦って体を起こす。寝起きの彼はなんだか可愛らしかった。義勇に手招きされて側へと寄る。

「今から行くのか」
「うん。足跡調査して、夜間は討伐になると思う。そのまま蝶屋敷に行くから今日は帰れない」
「そうか」
「明日も、ちょっとわかんない」
「…………」
「ごめんね」
「わかった。無理するな」

義勇は琴音に手を伸ばして抱き寄せる。甘えるように彼女の首元にくっついた。

「無事に、ちゃんと帰ってこい」
「はい」

琴音は義勇の頭を撫で、布団に寝かしてやる。

「お仕事お疲れ様。しっかり寝て」
「……ん」
「いってきます」
「気を付けて」
「うん」

義勇に布団をかけてやると、何度か眠たそうにまばたきした後に彼は目を閉じた。義勇のこんな様子を見られるのは自分だけだろうと、琴音は微笑んだ。
部屋を出て仕事へ向かう。
死ぬわけにはいかない。日輪刀をぎゅっと握りしめて気合を入れた。


そこから丸二日、やはり帰ることが出来なかった琴音。三日目の昼過ぎに疲労困憊で帰宅をし、玄関で倒れて寝た。
千代に発見されて部屋へと運ばれ、眠りにつく。夕方に帰宅した義勇は千代からそれを聞き、少し慌てた。

「まあ、はじめのうちは冨岡さんもそうでしたもんね」
「………そうだったか」
「一年くらいは玄関が寝床でしたでしょ」
「半年くらいだ」
「ふふふ」

千代は琴音のことを話した時、とても喜んだ。琴音を気に入っているらしい。

千代は義勇と琴音の分の晩御飯を作って帰っていった。


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