• テキストサイズ

言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第15章 星空の下で


「言ってなかったか」
「……何も言われてないもん。だから、冨岡が私をどう思ってるかわかんないもん」
「俺が、なんとも思ってないやつにこんなことをするとでも?」
「思わない。でも、……わかんないんだもん。私ばっかり冨岡のこと好きで、冨岡はそうでもないかもしれないじゃん」

琴音は義勇の羽織を掴んだまま、小さな声で語った。

「悪かった」

義勇は琴音の頭を撫でながら言った。謝罪の言葉なのに、その声はどこか嬉しそうだった。自分は本当に愛されているのだと思ったから。

「言ったつもりだった」
「何も聞いてません」
「ごめん」
「…………」
「頭の中では何度も言っていたんだ」
「え」
「ずっと前から。何度も何度も」

義勇は琴音の身体を少し離して彼女を見つめた。琴音も顔を上げて義勇を見る。

……成程。想いを告げるというのは、勇気がいるものなんだな。琴音も煉獄も、俺に想いを告げに来た女達も、みんな凄いんだな……

緊張感を漂わせながら、義勇が口を開いた。


「好きだ、琴音」


「冨岡……」
「これで満足か」
「……うん、ありがと」

琴音が嬉しそうに顔を赤らめた。恥ずかしがって俯きそうになるその顔を両手で掴んで上げさせて、唇を合わせた。琴音が微笑んでいるのがわかって、義勇も愛しさが込み上げる。

「俺は、言葉が足りないらしい」
「知ってるよ」
「そのせいでお前が不安になるのなら、その都度ちゃんと教えてくれ」
「鬱陶しいって思わない?」
「思わない。琴音に嫌な思いをさせるほうが嫌だ」
「ん、わかった」

琴音が頷く。
お互いの意思確認が出来て、ふふっと笑い合った。


/ 419ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp