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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第12章 年下の男の子


「もー!だから、俺は子どもじゃないですって!」
「あはは!炭治郎くん十五歳でしょ?子どもじゃーん!」
「違います!」

炭治郎はムスッとしながら琴音を見つめる。

「俺は子どもじゃないし、長男です!頭を撫でられるわけにはいかない!」
「長男関係ないでしょ」
「あります!俺は頭を撫でる方だから!」
「なにそれ」

琴音はクスクスと笑う。

「長男だって甘えていいのに。今まで甘えてこなかったんだねぇ。頑張り屋の炭治郎くんらしいや」
「…………」
「いいんだよ?甘えて。お姉ちゃんがいくらでも甘えさせてあげる」
「………そんなに歳、変わらない」

炭治郎は頬を染めたまま、口を尖らせている。

「炭治郎くんは、お兄ちゃんだったんだねぇ。あ、過去形じゃないね。禰豆子ちゃんのお兄ちゃんだもんね」

琴音は優しい眼差しで炭治郎を見つめる。

「私にもね、優しいお兄ちゃんがいたんだよ」
「そうなんですか?」
「うん。最期まで私を庇って、死んじゃったけど」
「そうですか……」
「だから私、長女だけど末っ子なの。ずっとお兄ちゃんにくっついて回ってた甘ったれだよー!えへへ」
「へぇ。面倒見がいいから、お姉さんなのかと思ってました」
「弟か妹、欲しかったんだよねぇ」

そう言って笑う琴音は実年齢より幼く見えた。

「さてと。お姉ちゃんは、あと二人の弟と話をしてきますか」

琴音は笑いながら立ち上がる。

「善逸と伊之助ですか」
「うん」
「……すみません」
「あはは、本当にお兄ちゃん体質なのね、君は」
「鍛錬に来るようになるかなぁ」
「あの子達なら大丈夫だよ。お姉ちゃんに任せなさいな」
「お願いします」

炭治郎も笑う。

「炭治郎くんは着替えるんだよ?」
「え、あ、はい」
「君、いつも濡れたままうろうろしてるけど、風邪引いちゃうよ?ちゃんと着替えないならお姉ちゃんが着替えさせるからね」
「じ、自分で着替えますっ!」
「あはは!じゃ、鍛錬頑張ってね」

そう言って部屋を出ると、琴音は善逸と伊之助を探しに行った。

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