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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第11章 那田蜘蛛山


炭治郎たちの入院生活が始まった。
琴音は任務の合間を縫って彼らに会いに行った。
琴音は年下である炭治郎たちが可愛くて仕方ない。炭治郎たちも歳が近くて話しやすい彼女にすぐに懐いた。


今日も琴音が病室を覗くと、黄色い頭の少年、善逸が叫んでいた。

「いやぁぁぁぁー!!また血、取るのぉ?!俺、貧血だもん!やだやだやだぁぁーー!!」
「だから!血液中の毒素がちゃんと減っているかの確認なんですってば!別にあなたちっっとも貧血じゃないですしね!採血なんてチクッとするだけでしょうが!剣士なのに情けない!」

善逸は派手に騒ぎ、アオイに派手に怒られている。

「善逸くん」
「あ!!琴音ちゃーん!!うわぁぁーん!」
「あらら、涙と鼻水酷いね。ほら、拭いて」

琴音は善逸の側に座って、彼の顔を拭いてやる。

「あのね、善逸くん。嫌なのはわかるけど、血液検査はとっても大事なの。君が飲んでるお薬が効いてるのか、量は大丈夫なのか、そういうのをちゃんと調べないと。ね?」
「ううぅ……琴音ちゃん……」
「私の為に頑張って。お願い」

琴音は善逸の手をギュッと握る。善逸の顔がボッと赤くなった。

「琴音ちゃんの……為なら……」
「ありがとう、善逸くん!」

琴音は反対側の寝台脇にいるすみに目線を送る。

「怖くないよ、痛くないよ。頑張れ頑張れ」

駆血帯などの採血前の処置をしている間、琴音は善逸に近付いてそちらを見せないように頭を撫でる。

「よしよし、大丈夫」

優しく語りかけてもらい、あっという間に採血は終わった。善逸は頬を染めて終始ご機嫌のままだった。

「偉いよ!善逸くん、頑張ったね」
「うん!俺、頑張ったの!!でへへへ」
「ふふふ。ありがとう」

「もう!琴音さんは甘いんだから!」
「アオイちゃんは厳しいなぁ」
「これ、研究室の分離器でいいですか?」
「うん。ありがとう。お願いね」

アオイはすみを連れて、プンプンと怒りながら部屋を出ていった。


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