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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第11章 那田蜘蛛山


琴音はカナヲと共に蝶屋敷に移動した。
なほ、きよ、すみやアオイと協力して、現場では出来なかった丁寧な治療を施していく。
治療が一段落すると、琴音は和室で畳にひっくり返った。疲労が彼女に襲いかかる。大きく息を吐き出した。

「お疲れ様」
「あ、カナヲちゃん、お疲れ様」

カナヲは部屋に入ってくると、持っていた金平糖を一つ差し出してきた。琴音の顔がパアッと明るくなる。

「ありがとう!」
「ふふふ」

カナヲは治療に参加しない。それは、指示をされていないから。どれだけ琴音たちがバタバタしていても、少し手伝うということすらしない。
しかし、琴音はそれに対して何も思わない。彼女の性格や状況は、しのぶから聞いてわかっているからだ。

ころころと甘い金平糖を口の中で転がして、疲れを癒やしていく。

「カナヲちゃん、怪我してない?」
「大丈夫」
「よかった。流石だね。カナヲちゃんが踏んづけた子……、炭治郎くん、だったかな?同期なの?」
「わからない」
「選別のとき居なかったの?」
「んー……居た気もするけど、わからない」
「そっか」

炭治郎のことを哀れに思う琴音。

「カナヲちゃん」
「なに?」
「もしあの子、同期なんだったら、大切にしなよ」
「?なんで?」
「やっぱり……、同期ってさ、特別だよ」
「ふぅん」
「ちゃんと同期がいて、羨ましいよ」

カナヲは首を傾げ、琴音は緩やかに笑った。



琴音が研究室に入って薬を作っていると、再び外がガヤガヤと騒がしくなった。
手を止めて窓から外を覗くと、炭治郎が隠に背負われて屋敷に入ってくるところだった。

会議、終わったのかな
無事で良かった

少し心配をしていたので、琴音はホッとした。


少しして様子を見に行ったら、彼は同期の子と一緒に入院になっており、わいわいしていた。

琴音は少年たちを優しい眼差しで見ていた。

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