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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第2章 出会い


「おい」

その時、義勇が初めて琴音に声をかけた。

「なんですか」

布団から顔を出し、寝転んだまま顔を向ける琴音。彼女はもやは説明もいらないほどに不機嫌丸出しである。

「お前、いくつだ」
「……は?歳ですか?十一です」
「ここはお前みたいな子どもがうろつく場所じゃない。消えろ」

立ったまま琴音を見下ろし、無表情でそう告げる義勇。
琴音はカッとなる。布団を跳ね上げて身体を起こした。急な動きで頭の傷がズキリと痛んだが、右手を包帯に当てて義勇を睨みつける。

「なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないの?そんな権限どこにあるの!」
「権限とかじゃない」
「わけわかんない」
「わからないのはお前が子どもだからだ」
「あんたも子どもでしょうが!」
「お前よりは子どもじゃない」

喧嘩が始まり、竹内は更にオロオロとする。

「や、やめろよ、二人共」
「竹内!うるさい!だまってて!」

苛つきMAXの琴音に怒鳴られて、竹内はとりあえず口をつぐむ。繰り返すが、彼は何も悪くない。

「確かに私は子どもだけど!でも、それでなんで鬼殺隊にいちゃいけないの?選別だって通ってる」
「ただ一人の合格者だそうだな」
「………それがなにか?」
「沢山死んだのだろう」
「…………」
「お前は偶然生き延びたに過ぎない」
「そうだけど……」
「今回もたまたま死ななかっただけだ」
「…………」
「次は死ぬぞ」

義勇は表情を変えないままそう告げる。

「早く消えろ」
「死なない!!」
「死ぬ」
「なんで?!」
「弱いからだ」
「………っ!」

「十二鬼月でもない鬼にこんなにこっぴどくやられているようじゃこの先やっていけない。子どもで、その上女だろう。周りの隊士を巻き込まないうちにとっとと居なくなれ」

義勇の話を聞きながら、琴音は布団を両手で握りしめる。その手はブルブルと震え、目には悔しさで涙が浮かぶ。

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