第22章 呪い合い、殺し合い、
「……ちょっと待て、なずな、泳者を殺したのか?」
なずなの得点を見た伏黒が尋ねる。
あれほど殺しについて思い悩んでいたのに、また彼女に人を殺させてしまったのか?
だがそれは杞憂に終わる。
「ううん、ここに入った直後に出てきた呪霊を祓った時の点だよ。呪霊も泳者としてカウントされてるみたい」
「これで助かるな!津美紀の姉ちゃん!!」
2人の言葉に伏黒は目を閉じて喜びを噛み締めた。
よし……よし!
あとは身代わりを立てて離脱可能となるルールを追加できるかどうかだ。
しかし、ふと気づいたことがあり、高羽と来栖を見る。
「いや待て、オマエらの点使っていいのか?」
「おー全然」
椅子の背もたれに身体を預けていた高羽が軽い口調で答える。
「虎杖のルール変更のおかげで人を殺さなくても生きていけるようになった。マジ感謝」
そしてカッと目を見開いた。
「好きに使ってくれ」
「私も。特に必要ないですから」
来栖も肩をすくめて同調する。