第22章 呪い合い、殺し合い、
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「……警戒心とかないのか、オマエら」
ひと通りの身支度を終え、腰を落ち着けて事の顛末を聞いた伏黒はやや呆れ気味だった。
自分達のように回游に参加する前から味方ならば心配無用だが、泳者は誰が敵か分からない、いやこの儀式自体が殺し合いを目的としているからむしろ全員敵という認識でも差し障りない。
だというのに高羽をはじめ、来栖まで味方になっている。
なずながレジィとの戦闘の後すぐ現れた来栖を頼ったのは……まぁ状況的に仕方なかったとしても、虎杖は高羽を信用するための判断材料が足りなかったはずで……
もし俺達を知っていると油断させて奇襲されたらどうするつもりだったんだ?
その呆れを知ってか知らずか、虎杖はまぁまぁとなだめてくる。
なぜか高羽と来栖も。
でも高羽と来栖のお陰で3人とも合流できたのは事実だ。
それに対しては感謝すべきだろう。
「……スマン、助けてくれてありがとう」
「まぁまぁまぁ」
伏黒が頭を下げると、なずな以外の3人の声が重なった。
「そんなことより見ろよ、伏黒!」
虎杖がコガネに表示させたモニターを指差す。
「秤先輩100点とったんだよ。そんだけじゃねぇ!なんと乙骨先輩が190点!」
なずなもそれに頷くと、コガネに自分達のデータを出させた。
「恵くんが今51点で、そこに高羽さんと来栖さん、私の点を合わせれば363点になるから、残り3つのルールもすぐ追加できるよ」