第22章 呪い合い、殺し合い、
「起きてください」
「うーん……?」
「恵が目を覚ましましたよ」
「!」
来栖に肩を揺すられ、なずなはガバリと起き上がった。
「本当に!?」
「こんなことで嘘ついてどうするんですか」
若干寝癖のついた髪を整えるのもそこそこになずなは急いで伏黒のいる寝室へ向かう。
「恵くん!」
寝室へ入るとベッドから起き上がった伏黒が真っ先に目に入り、駆け寄って顔色を確かめる。
目が合うと伏黒は申し訳なさそうに相好を崩した。
「悪い、途中で気ィ失っちまって……」
「ううん、無事ならそれでいいの。怪我したところは痛まない?身体に異常はない?」
「ああ……オマエこそ大丈夫なのか?怪我とか……」
「私は大丈夫、何ともないよ」
「ここ、ホテルか?なずながここを見つけてくれたのか?」
「うん、あ、だけど見つけたのは私じゃなくて……もともと来栖さんが拠点にしていたのがこのホテルで、私達を案内してくれたんだ。あ、来栖さんっていうのは……」
なずなの視線が動き、それに従って伏黒も目を移すと先程の見知らぬ女性に行き着く。
「来栖 華です。私があなた達2人に声を掛けてここまで連れてきたんです」
「その途中で虎杖くんとも合流して……って、虎杖くんその恰好どうしたの?」
「初めてのバスローブだったからなんかテンション上がっちゃった」
バスローブ姿になっていることになずなが目を丸くしたのに対して虎杖は頬を掻いた。
「伏黒も起きたことだし、俺、着替えてくるよ」