第22章 呪い合い、殺し合い、
目を開けるとなぜかベッドの上で横になっている状態だった。
すぐ目に入ったのは柔らかな間接照明の天井。
ゆっくりと上体を起こすとまだ少し頭痛はあるものの負傷した腕や頭は手当てされ、服も新しいものに替えられている。
ここはどこだ……?
この手当てはいつの間に?
なずながここまで運んでくれたのか……?
レジィを倒して点を譲渡された後、他の泳者が寄ってくる危険を考えてすぐに体育館から離れるよう彼女に指示して……
2人で外に出たところまでは思い出せたが、それ以降の記憶が途切れてしまっている。
近くになずなの呪力を感じる。
この結界に入った直後に逸れてしまった虎杖の気配も。
そして、それらよりも更に近くに全く知らない呪力があった。
「おはようございます。よく眠れましたか?運命の人」
ほとんど明かりの見えない真っ暗な夜景をバックに振り向いたのは、文字通り天使の姿をした金髪の女性だった。
……誰だ?
口振りから敵ではなさそうだが、術師であることには間違いない。
その容姿から考えるに天元様の言っていた“天使”なのか?
「……どれくらい寝てた?」
伏黒は訝しげに眉を寄せ、別の窓に目を向けた。
「オマエに聞いてんだぞ、虎杖」
そこから外を眺めている虎杖はなぜかバスローブを着て、手にはグレープジュースの入ったワイングラスを持っていたが、敢えて何もつっこまないでおく。
「2日……とか?今、14日の夜だよ」