第22章 呪い合い、殺し合い、
なずなの向かった先はバックヤードだ。
ここなら商品のストックが置いてある。
店内と比べると荒らされた感じもないし、まだ残っているかもしれない。
包帯を探す中で棚の隙間に潜んでいた呪霊は見つけ次第容赦なく祓い、手早く商品を確認していく。
「愛の力だなぁ……」
「見てないで高羽さんも手伝ってください!」
高羽がしみじみと呟くとすかさずなずなの真剣な声が飛んできて、高羽も慌てて手を動かし始めた。
「おぉーっと、危なーい!」
高羽が高い棚の上にある段ボール箱を取ろうとして危うく局部がポロリしてしまいそうになる。
もちろん本当にポロリするとなずなに訴えられてもおかしくないので、その辺りは弁えてフリだけなのだが、
「……どうぞ」
そう言ってなずなが差し出してきたのは大人用の紙おむつだった。
「うーん、これはちょっと予想外。なずな嬢ってば今までになくブリザード……いや、的確なんだけどね」
ただどんなに辛辣でも、ノッてきてくれたということはその余裕が出てきた証拠でもある。
物資がまだ残されていたことが安心材料になったようだ。
この調子で笑顔を、とまたもやネタを披露し出した高羽だったが、早く役に立ちそうな物を探してくださいと真顔で返された。
「くっ、やはりなずな嬢を笑顔にできるのは伏黒少年だけなのか……!」