第22章 呪い合い、殺し合い、
2人が出ていき、パタンとドアが閉まると、来栖が虎杖に向き直って尋ねる。
「あの子、いつもああなんですか?」
「んー……まぁあんな感じかな。今は特に極端な気がするけど。来栖がいろいろ言うから余計に気にしてんじゃね?」
「うっ……」
痛いところを突かれ、来栖が言葉に詰まる。
確かに大事な人に怪我をさせたとは言ったが半ば売り言葉に買い言葉というか、ライバルなのだからあれくらいの応酬は当然と考えていたから、眠れなくなる程気にしてしまうなんて思っていなかった。
あんな風になってしまうと少し気まずい。
一方、虎杖はなずなの性格をよく知っているだけに心配していた。
その場を見ていないから推測でしかないが、伏黒が怪我を負ったのも気を失ったのもきっとなずなのせいではない。
2人ともここに入った直後に離れ離れになって、虎杖と同じように襲撃を受けたはず。
その最中にお互いを探したとしてもどうしても間に合わなかったのだと思う。
「渡辺は責任感強いけど気弱だからさ、あんま責めんなよ」
「わ、悪かったですよ」
「それ、本人に言わないと意味ないヤツだからな」
「分かってます。帰ってきたらちゃんと謝りますよ!」