第22章 呪い合い、殺し合い、
しばらくして戻ってきた虎杖達の手を借りて伏黒の服を変え、ようやくひと段落ついた面々は服と合わせて調達してきた菓子類を広げて休憩する。
「虎杖くんは高羽さんとどうやって会ったの?」
「なんかバンバン爆発してるのが見えてさ、行ったらそこに高羽が立ってた。スゲー目立ってたよな」
「おう、俺が点を譲ってもらった直後だったぞ!なずな嬢達を探していると聞いて、伏黒少年を見つけた場所に行こうとして」
「その途中で伏黒が来栖に運ばれてんのが見えたんだよな。で、そっちに行ったら渡辺もいたって感じ」
「……仲良くなるの早いですね」
「いやぁ、それほどでも〜」
やや呆れ気味な来栖に対して高羽は照れる仕草をする。
なずなはというと虎杖や高羽との再会と来栖が味方だったことにホッと安堵していた。
いつ、どこで会敵するか分からない死滅回游の中であのまま気絶した伏黒をおぶって彷徨い続けていたらどうなっていたか……
1人では決してこんなにいい休息場所は見つけられなかっただろうし、常に周りを警戒して休む暇もなかったはずだ。
あそこで手を差し伸べてくれた来栖に感謝して、視線をベッドの方に移す。
それに気づいた来栖もなずなに声を掛けた。
「早く目覚めるといいですね」
「はい……」
だが、それから丸一日経っても伏黒が目覚める気配はなかった。