第22章 呪い合い、殺し合い、
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「その時思ったんです、この人は私の運命の人だって……それから10年ずっと探していました。そしてやっと見つけた」
本当に嬉しそうに顔を綻ばせる来栖を見て、その想いは本物なのだと痛い程理解できた。
なずなも同じ想いだったから。
「私も恵くんに何度も命を救われました」
家族の死を受け入れられず、茫然とするしかなかったところに現れた白の玉犬、その後すぐに現れた彼は家に集まってきた呪霊から守ってくれた。
特級呪霊の生得領域となっていた少年院内で逸れた時も助けにきてくれて、私が線路に飛び込もうとした時は止めてくれて、無垢蕗村でも渋谷でも助けてくれた。
そして、どんなに血に汚れた手も迷いなく掴んでくれた。
自分だけ知るのは不公平だと考え、なずなも来栖にこれまでどれほど伏黒に助けられたかを話した。
「……なんだ、一緒なんですね、私達」
「ですね」
話し終わるとお互いに顔を合わせて来栖はくすりと笑い、なずなははにかむ。
するとすぐに来栖の表情が不敵な笑みに変わった。
「だからといって彼を諦める気は全くないですけどね!」
「わ、私だって負けません……!」