第7章 日々是特訓
5分後ー
「すみません!遅くなりました……?」
なずながようやく止まったキャシィを連れて五条の元へ駆けつけるが、自分ひとりだけしかいない。
「他のみんなは訓練再開ですか?……あの、もしかして話終わっちゃいましたか……?」
「そうそう、ものすっごく重要な話だったんだけど、そう何度も口にできる話題じゃないから、僕の口からはチョット……恵達に聞いても教えてくれないかもね」
「えぇっ!?」
なずなが衝撃を受けていると、後ろから呆れた声が聞こえてきた。
「自分の生徒いじめんなよ」
「すじこぉ」
「そうだぞ、大人げないぞ、悟」
先輩達が口々に五条を咎めている中、固まっているなずなを伏黒と野薔薇がフォローする。
「真に受けるなよ。五条先生が適当言ってるだけだからな」
「そうなの……?」
「そうよ。私達だってなんにも聞いてないわ」
なずなはその言葉を聞いて、ようやくホッと胸を撫で下ろした。
生徒達の非難など意にも介さず、よし、じゃあ皆集まったところで、と手を叩き、五条はポケットから紙を取り出した。
「コイツら、未登録の特級呪霊。しかも人間と組んでるっぽいんだよね」
見せられた絵は……似顔絵?
小学生がクレヨンで描いた落書きのような絵に生徒全員が眉を寄せる。
灰色の布のようなものを巻いて目に花が咲いている呪霊と、丸い壺に耳がついていて頭頂部は富士山のような一つ目の呪霊。
特級というが、この絵だけではとてもそうは見えない。