第22章 呪い合い、殺し合い、
その後、口論はなずなが言い返せなくなって終息し、来栖が使っているという部屋に到着した。
部屋に入ると来栖はすぐに伏黒をベッドに運び、なずなは真っ直ぐ洗面所へ向かい、タオルを濡らして持ってくる。
特に示し合わせた訳ではないのに2人とも役割分担がしっかりできており、動きに無駄がなかった。
テキパキ動く女子2人とは対照的に虎杖と高羽はホテルのスイートルームに興味津々。
特にやることも思い当たらないので早速室内を探検し始める。
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なずなと来栖が伏黒の顔や腕についた乾いた血を丁寧に拭き取るとどうしても目に入るのは汚れた服だ。
血や土が付着し、左袖と襟元には油のような液体が沁みた跡がある。
これを着たままでは怪我が悪化しかねない。
どちらともなく目を合わせて頷く。
「できれば着替えさせたいですね」
「ええ、近くの店から拝借してきましょう。どうせ無人ですし、緊急事態ですから」
「いや〜ん、エッチ〜」
「ふざけてる暇があったら服を取ってきてください。今すぐに!」
後ろから茶化してくる高羽を来栖がバッサリ切り捨てた。