第22章 呪い合い、殺し合い、
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来栖についてしばらく走っていると、誰かの気配を感じた。
これまで静かだっただけになずなに緊張が走る。
誰かが真っ直ぐこっちに近づいてきてる……!
しかも複数人だ。
来栖もその気配に気づいたようで同じ方向に目を向けている。
「誰か来ましたね、戦闘になったらお任せしてもいいです?私、両手が塞がってますし」
「構いませんけど、私が戦っている間に恵くんを連れ去らないでくださいね」
「それはあなた次第です。時間がかかるようなら私は先に行ってしまいますから」
「なっ!?」
ツンとそっぽを向く来栖になずなは言葉が出てこない。
仕方ない、速攻で勝負しなければ……!
どんな状況になっても対応できるように鬼切を抜いておき、近づいてくる気配を探る。
「……あれ?」
急になずなが足を止め、警戒を解いた。
迫ってくる気配は自分が見知っているもの、
この結界に入った直後に逸れた虎杖と敵を分断するために離れた高羽のものだった。
「おわっ!?渡辺じゃん!」
「虎杖くん!高羽さんも……!」
「20分ぶりくらいだな!なずな嬢」
「えっ、渡辺の知り合いなの!?」
路地から出てきたのは予想通りの2人。
どちらも元気そうでなずなの胸の中には安堵が広がった。