第22章 呪い合い、殺し合い、
「黄櫨様」
「なんだ」
苛立ちが募る中、唐突に黄櫨のコガネが現れ衝撃的な事実を告げた。
「レジィ・スター様がお亡くなりになりました」
コガネの言葉に黄櫨は瞠目し、戦闘態勢を解いて踵を返す。
「お、どうした?」
「帰る。やってられるか」
「そうか!風呂入れよ、歯磨けよ!」
そのまま見送ろうとした高羽だったが、ピーンと何か閃くと手を捏ねながら黄櫨についてきた。
「カーンチ!点ちょうだい?」
「ついてくんな」
「お願い!時そば的なノリでいいから!」
「死ね」
しかし高羽は離れない。
点をもらうまでヘラヘラと食いついてきそうなしつこさだ。
殺したい程鬱陶しいが、殺そうとすればまたデタラメな術式で躱されるのが目に見えている。
「お願い、お願い、お願〜い!」
「チッ、5点だ。5点くれてやる。とっとと失せろ」
とうとう黄櫨が根負けしてそう吐き捨てると、高羽のコガネが現れた。
「黄櫨 折から5点が譲渡されました」
黄櫨が苦戦を強いられた高羽の術式「超人(コメディアン)」は、高羽が“ウケる”と確信したイメージを実現させる。
五条悟にも対抗できうる術式。
変顔をしてペチンと自分の額を叩く高羽は自身の術式のことを何も知らない。
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