第22章 呪い合い、殺し合い、
伏黒となずながレジィと戦っていた総合体育館とは離れた場所では黄櫨が高羽へ向けて歯を爆発させていた。
黒い爆煙から飛び出して様子を窺う。
「やったか!?」
「いや、油断するな!奴はしぶとい!」
するとなぜか高羽も同じ方向に飛び出してきた。
「なんなんだよ!!」
パンチすると拳がぬるっと滑った。
いつの間にか高羽は全身ぬるぬるになっており、あまり触れたくない状態だ。
「なんでローションまみれなんだよ!」
「あんかけかもよ?」
「うるせぇ、死ね!……ってマジであんかけじゃねーか!クソッ」
ふわりと出汁の匂いがしてきてますます頭が混乱し、堪らず黄櫨は手についたあんかけをズボンで拭った。
マジでなんなんだ、コイツは……!
何度も爆撃した、5回は殺せてる手応えだ!
それがなんでその程度で済んでる!?
「あんかけ嫌い?」
ととぼけた顔で尋ねてくる高羽は髪の一部が焦げてチリチリになっているだけで負傷らしい負傷は全くない。
頭から出血してたはずなのにいつの間にか治ってやがる。
だが俺のように反転術式を使った気配がない。
意味が分からねぇ!