第22章 呪い合い、殺し合い、
「見て分からないか!?今良い所なんだ、高羽 史彦35歳、少年少女の甘酸っぱい青春に水を差すなんて野暮な真似は許さないぜ?」
カッコつけた顔をしているが、爆撃が直撃した頭からは小さな噴水のように血が吹き出しており、鼻血も出ている。
逆にそういった出血はしているものの、それだけしかダメージのない高羽にレジィも黄櫨も目を見張った。
眼球の爆発より威力は劣るが、それでも頭部への直撃だ。
呪力強化して守ったとしてもここまでピンピンしていることなどまずあり得ない。
頭部へダメージを受ければ反転術式を使うことは困難だし、内包している呪力は並といった具合だ。
あの一瞬で何をした?どうやって防いだ?
レジィは隣にいる黄櫨に耳打ちする。
「どう見る、黄櫨?」
「知らん奴だ。聞いた方が早い」
腕組みして立ちはだかる高羽に黄櫨が尋ねる。
「おい!オマエ、どっちだ?」
その問いかけにピーンと何かを察した高羽はゆっくりと腕組みを解いた。
「成程、その質問はつまり俺が……」
勿体ぶるように親指で自分を指し、そして、
「面白いか、面白くないか、ということだな!?」