第22章 呪い合い、殺し合い、
「クソガキ君の仲間ってことは、そっちの子も羂索の知り合いかな?」
「!、コガネ、あの人達は?」
「死滅回游泳者のレジィ・スターと黄櫨 折だぜ!」
少なくともこのレジィという人は受肉した過去の術師ということ、
その上死滅回游を企てた羂索を知っている……!
しかも……
レジィ・スター
得点:41
変更:00回
滞留結界:東京第1
黄櫨 折
得点:35
変更:00回
滞留結界:東京第1
コガネが表示した2人の情報を横目で確認したなずなの警戒度が一気に跳ね上がり、鬼切を拾い上げて構える。
と、すかさず伏黒が割って入ってきた。
だが入ったのはなずなと高羽の間、しかもなずなを庇うように背中に隠す。
もちろん高羽の格好が完全に不審者のそれだったからだ。
右半身が裸、腰にはニコニコ笑顔のベルトを巻いた奇天烈な格好、それにずっと笑顔でなずなのことを見ている。
早く引き離さなければ危ないかもしれない。
そんな伏黒の危機感をよそに高羽は伏黒に顔を近づけ、目を大きく見開いて何やら頷いていた.
「ふむふむ、なずな嬢はチョイ悪な男がタイプなのかな?なかなか悪い顔をしている」
「何なんだ、アンタ。どうして渡辺と一緒にいる?」
殺気もなくじりじりと近づいてくる高羽から一定距離を置きつつ尋ねるが、そんなことはお構いなしにキョトンと首を傾げて質問し返された。
「伏黒少年は呼んであげないの?なずな嬢の名前」
「聞いてんのはこっちだ。それになんで俺の名前知ってんだよ」
「ご、ごめん、それは私が高羽さんに……」
後ろから小さく聞こえてきた謝罪の言葉。
おそらく結界に入った際の転送直後で出会ったのだろう。
自分が麗美と遭遇したように。
だったらこの男も今はなずなに協力するフリをしているだけかもしれない。