第22章 呪い合い、殺し合い、
2人のどちらかが日車に接触し、ルール追加できたのだ。
これでこの結界に入った最大の目的は達成した。
自然と伏黒の口角が上がる。
こうなれば次の優先目標は2人との合流だ。
「んだぁ?このルール……」
まずは疑問符を浮かべて呟く針に狙いを定め、胴を蹴りつけるとすかさず影絵を作った。
「満象」
狭い廊下に満象が出てきたことで針を外へ押し出して再び落とす。
「コイツ、また……!」
先程と違うのは伏黒も飛び降りてきたこと。
鵺に掴んでもらい位置を調整し、針の上を取ると、呪具の柄で思い切り額を叩く。
「デメェ、よくも!」
地面に叩きつけられ顔面血塗れの針が起き上がる前にその眉間に呪具を突き刺し、トドメを刺した。
夥しい血溜まりが広がっていく。
相手が完全に動かなくなったのを確認した伏黒は突き刺した呪具を抜き、フーッと息を吐いて立ち上がる。
グダグダ考えて何してんだ、俺は……
これからも点は必要だ。
でももう津美紀に……そして渡辺にも殺し合いが強制されることはないんだ。
焦るな、
皆を信じろ。
コイツらの持ち点に拘るな……
俺はただ全力で
降りかかる火の粉を払えばいい。
「5点が追加されました」
伏黒の瞳から迷いが消えた。