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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第22章 呪い合い、殺し合い、



脇腹に浅く突き刺さった麗美の髪束を引き抜き、忌々しげに打ち捨てると麗美は俯いたまま小さく口を開いた。


「……じゃあ言ってよ。レジィ様は言ってくれたもん」

顔を上げた彼女は号泣しながら懇願する。

「私を守るって!私を好きって言ってよぉ!!」

「……たまにいるよ、オマエみたいに行動じゃなく、口先が全てのクズ人間」


伏黒が嫌う典型的な人種だ。


2度攻撃を受けたことでキッパリ見切りをつける決心ができた。


泣き落としでもかけているつもりなのか、涙を流し続ける麗美を見ても同情どころか冷めていくばかり。

たとえ口先だけでも希望に応えてやる気なんて一切ない。



すすり泣く麗美を無視して伏黒は部屋を出ようとする。





だが、伏黒の前に立ちはだかる者が1人。


「さっきはどおもぉ〜……ってもうボロボロじゃねぇか」


最初に鵺で下まで落とした針がもうここまで戻ってきていた。


鋭く尖った左手にはわずかにタイルの破片が付着していることから壁に爪を立てて登ってきたらしい。


「ここまで這い上がるのも楽じゃねぇんだよ」

「階段使えよ、原始人」



コイツと麗美、レジィと体の一部を爆弾にするアイツ……

4対1はさすがにキツいな。
だがなんとしてもコイツらの持ち点は確保しておきたい。


一番現実的なのは式神を使って分断することだが、奴らを殺せない上に少なくとも1人は反転術式を使える。
もし他人も治せる術師なら全員の足を潰したとしても無駄だ。

どうする……?


伏黒が表情には出さずに考え始めたその時、




―リンゴン リンゴン リンゴン―


鐘の音とともに三者のコガネが一斉に出てきた。


「泳者による死滅回游へのルール追加が行われました!〈総則〉10 、泳者は他泳者に任意の得点を譲渡することができる」


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