第22章 呪い合い、殺し合い、
爆風が止み、マンションの一室に退避したレジィがドアを開けて出てくる。
「終わった?」
「まだだ。レジィと同じ爆発寸前に部屋ん中に逃げ込んだ」
既に廊下に出ていた黄櫨の返答にふむと顎に手を当てる。
「やるねぇ……でも結構削れたんじゃない?」
伏黒は別の部屋で蝶番が吹き飛んだドア押さえていた。
爆風を少し食らったがなんとか間に合った。
まともに受けていたら危なかった。
足元にうずくまっている麗美に吐き捨てるように事実を突きつける。
「これで分かったろ。アイツら、オマエを守る気なんてないぞ」
「ゔぅ……」
「分かったらとっとと失せろ」
何故咄嗟に彼女を助けたのか。
それは伏黒自身にも分からなかった。
あの場に置いていけば先程の爆撃で致命傷を負ったはずだ。
敵の数が多い現状を少しは改善できたかもしれない。
……まぁ、彼女の実力を考えるといてもいなくても変わらない可能性も十分にあるが。
麗美を騙して利用しているレジィ達に腹が立ったから?
それとも最初に交わした麗美との約定が縛りだった場合のペナルティを避けるため?
どちらもピンと来ないが、もうそんなことはどうでもいい。
今はレジィとその一味の持ち点をどうやって奪うか、だ。
まだダメージの残る伏黒がふらつきながら部屋を出ようとすると、脇腹に衝撃が。
「オマエ……大概にしろよ」
ここで伏黒に攻撃できる者は麗美しかいない。
衝撃の方に目を向けると予想通りだった。