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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第22章 呪い合い、殺し合い、




「あぁ〜、そっかそっか、ぬるいと思ったら殺せないのか」


レジィの明るい声に伏黒が振り向くと渾の上顎に包丁が2本突き刺さっていた。


……あんな物持ってたか?

あの蓑の下に隠していた?
それとも術式?


包丁を抜こうともがく渾を解くと、包丁も一緒に消える。
実物が残らないということは術式で作り出されたものでほぼ間違いない。



睨み返してもレジィは余裕の笑みを崩さなかった。

「俺達の持ち点欲しいもんね?でも殺す気でやんないと、死んでから後悔するよ?」


ふと上から何かが落ちてくる。


小さくて丸い……

眼球……?


何故こんな所にと疑問が浮かんだ瞬間、それはカッと強烈な光を放ち、爆風と熱、音が伏黒を襲ってきた。





上半身にまともに爆撃を食らった伏黒。

あらかじめこの爆撃を知っていたレジィは身を屈めて耳を覆って退避していた。


「ちょっとぉ!俺もいるんだけどぉ!!」


マンションの屋上から自分の眼球を落としたのは黄櫨 折(はぜのき いおり)。
その眼球も反転術式で元通りになっていた。

そして今度は自分の前歯を抜く。






伏黒が大きく咳き込みながら煙から出ると麗美の尖った髪が飛んできた。

身を伏せて避け、髪を掴んで引き寄せて麗美を転ばせる。


「いいんだな!!」


本当に仲間なら伏黒の足元に倒れた麗美を攻撃できないはずで……


上から新たに黄櫨が乗り込んでくるのと同時に煙の向こうから2枚の紙札……いや、レシートが飛んでくる。

ただのレシートではないだろう。

何かあると踏んで身構えるとそれらは液体に変化して伏黒の腕にかかった。


この臭い……!

「ガソリンか!?」



間髪入れずに黄櫨の歯が3本放り投げられる。


それらは飛び散ったガソリンにも引火し、瞬時に大爆発を起こした。



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