第6章 真昼の逃避行
「真依先輩はどんな戦い方だったの?」
「あんな奴、先輩なんて呼ばなくてもいいわよ!」
虎杖のことを散々に言っていたのを思い出してしまう。
あぁもう!また腹が立ってきた!
というか、なずなもなずなだ。
自分だってアイツに不意打ちで撃たれたろうに、なんでもなかったかのようにサッパリして!
その疑問をぶつけたら、それはもう冷静な答えが返ってきた。
「相手を挑発して気持ちを乱すのも立派な戦術だよ。私達はまんまと嵌まっちゃったんだと思う。……もちろん、次の交流会は同じ手には乗らない。そうでしょ?」
「当然よ!なんなら3倍返しでやり返してやるわ」
「さすが野薔薇ちゃん」
きっと、というかほぼ確実になずなにはできないであろう挑発も野薔薇にかかれば非常に有効な戦術になりそうだ。
「……あとあの女、弾丸に呪力を込めて撃ち出すくらいしかできないらしいわよ」
「じゃあ思いっきり近接で戦うのがいいね」
「ホントあの時トンカチと釘があれば、ボッコボコにしてやったのに!」
女子高生同士とは思えない物騒な内容に店内がざわついていることに、2人はまるで気づかず交流会ではああしよう、こうしようとおしゃべりに花を咲かせていた。