第22章 呪い合い、殺し合い、
ジャッジマンから科される最も重い罰
『没収』を付加された『死刑』
没収により虎杖は呪力使用不可、そして日車に“処刑人の剣”が与えられる。
それは文字通り、斬った者を死に至らしめる裁きの剣。
剣を握りながら、日車は回游に参加する前の弁護士としての自分を思い出す。
人の心に寄り添う。
それは人の弱さを理解するということだ。
被害者の弱さ、
加害者の弱さ、
毎日毎日毎日毎日
ずっと食傷だった。
―醜い―
他人に歩み寄る度そう思うようになってしまった。
「君もだ……虎杖!!人は皆弱く、醜い!オマエがどんなに高潔な魂を望もうともその先には何もない。目の前の闇はただの闇だ!明かりを灯したところで、また眩しい虚無が広がっている!」
客席の端まで走る虎杖を追おうとするも、虎杖が投げた椅子が飛んでくる。
その隙間に翻る紺の布に反射的に剣を向ける。
が、それは脱ぎ捨てられた制服。
本人は日車の足元へ。
虎杖を目で追うが、次の瞬間視界が赤一色に。
虎杖が制服の下に着ていたパーカーを投げ、目眩ししてきたのだ。
日車は足払いを跳んで避け、拳を振り向けてくる虎杖に剣を振り下ろした。
人は皆、弱く醜い……
だが、あの時は、
少なくともあの時、あの判決が下されるまでは、他の生物にはないその穢れこそ尊ぶべきだと思っていたんだ……!