第22章 呪い合い、殺し合い、
「さぁ言い訳しろ。ジャッジマンの気は長くないぞ」
「……」
俺は実際そのパチ屋に行ってるし、しっかり遊んで何なら勝った気もする……
無罪を主張するには嘘をつくことは避けられない。そうなると考えなきゃなんないのは当然、
あの“証拠”の中身!
日車は必ずしもこの疑いを確定するものではないと言っていた。
①もし証拠がパチンコ屋への入店を裏付けられない“スカ”なら黙秘か否認でいいワケだ。
②証拠が入店のみを裏付けるものなら酌量の余地のある言い訳にかける?例えば「トイレを借りた」とか?
でも証拠が①の“スカ”なら入店を認めることになるから墓穴を掘ることになるかも?
③証拠が入店だけじゃなく“遊技”も裏付けるものだった場合ほぼ詰み……?
自白して罪が軽くなることに賭ける?
そもそもこの裁判に重い軽いがあんのか?
……ダメだ。
これ以上考えても埒が開かない。
証拠が何か分からない以上、出たとこ勝負だ。
虎杖は深く息を吸って陳述する。
「俺はパチンコ店『マジベガス』に入店したが、急な便意でやむを得ずトイレを借りただけだ。だから無罪で」
③は捨てる。
情状酌量なんてものがこれにあんのかは分からんけど、これが一番印象が良い気がする……!
「そうか、では俺の番だな」
日車が証拠の入った封筒を開ける。
中に入っていたのは1枚の写真。
写っているのはある店のカウンターの前に虎杖が立っている所だ。カウンターに置いてあるトレイには現金もある。
「これは本件当日、『マジベガス』付近の古物商……言ってしまえば換金所の防犯カメラのキャプチャだ。人相・背格好全て虎杖悠仁本人と見て相違ないな?」
まずい、これは言い逃れできないヤツ!!
思わず頭を抱えて天を仰ぐ虎杖。