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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第22章 呪い合い、殺し合い、




術式はもう発動してしまったし、お互い暴力禁止なので結界を壊して出る選択は諦める。


ただ、虎杖がこれまで見てきた領域と少し性質が異なるのも事実。
これまで見てきたのはこちらが何も対策しなければ必中必殺という凶悪なものばかりだった。


それらとは違い、この領域では相手の術式が発動しているのに虎杖への物理的な攻撃は一切ない。
要するに“必殺”ではないのだ。


そこで薨星宮で天元から聞いた領域の話を思い出す。


『領域は昔の術師にとって今よりもずっとスタンダードな技術だったんだ。その理由として現在の領域に多い“必中必殺”の“必殺”の部分を省いていたからだ』

領域内の対象に自身の術式(ルール)を強制、つまり必中させる。

これが昔の一般的な領域の性能だったのだと。


やがて“必殺”にも拘るようになり、領域を構築するハードルが上がり、領域はより高度な技術に。結果的に使い手が減少したと言っていた。



それを念頭に日車の領域を考える。


この領域は“必殺”ではなく、閉じ込めた相手に物理的に危害を加えない。
更にある程度ルールを説明するという“縛り”で成り立っている。

何か起こるとすれば、この裁判の後だ。



「陳述のチャンスは一度だ。これもお互いな。君の後に俺も一度だけこの証拠を踏まえ反論させてもらい、最後にジャッジマンが六法に基づき判定を下す」

「有罪になったらどうなんの?」

「残念ながらその質問に説明責任はない。代わりと言ってはなんだが、これだけは教えておく」

「君の選択肢は3つ、黙秘・自白・否認。そして否認には虚偽陳述も含まれる」

「嘘でもいいってこと?裁判なのに?」

「皆真実を述べるなら、裁判など必要ない」


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