• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第1章 妖刀事件




このままでは伏黒が殺されてしまう。


父の剣術は昔から近くでよく見てきた。

父の剣は一撃必殺。
急所を的確に押さえ、迷いなく打ち込む。


伏黒が呼び出した羽の生えた蛙は容易く斬られ、消えてしまった。

今度は彼の首を刎ねるつもりだ。


そう思ったら、身体が勝手に動いていた。

伏黒に体当たりし、背中に手を回して服を引っ張り、さらに足払いして引き倒す。


鬼切の一閃が伏黒の鼻先を掠めた。



間一髪、初撃はかわせた。
でも次は?


自分は稽古の時ですら、父から一本も取れたことはない。
それでも、呆然として動けなかった自分の手を引いて、守ってくれた伏黒を死なせたくなかった。


「お父さん!お願いだからもうやめてっ!!」



もう自分の身体を盾にすることしか、思いつかなかった。



背中から肉を切り裂く音がした。

父に斬られた。
ぬるりと温かいものが背中を流れる感触がする。


ああ、私、死んじゃうのかな……




/ 1120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp