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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第22章 呪い合い、殺し合い、



なずなは意を決して話し始めた。


「私達、日車さんを探して3人でここに入ったんです。でも入ってすぐに一緒に来た2人と逸れてしまって……共通目的である日車さんを探していれば2人とも合流できるんじゃないかなと思ってます」

「どうして日車を探してるんだ?」

「え、えっと……その……」


そこで早速答えに窮してしまう。

正直に日車の持っている100点を使って死滅回游の総則を追加したいからと答えれば、何故・どんな総則を追加したいのだという話題になるだろうし、そうなればどこまで事情を明かすかという話にもなってくる。

この“どこまで”が非常に厄介で、天元のこと、ひいては呪術界全般のことに至るまで、つい先日まで一般人と言っても差し支えなかった高羽に明かしていいのか判断がつかないのだ。


あの、その、と繰り返し、もじもじするばかりのなずなを見て何やら閃いた高羽が大きく開いた手のひらを突き出してきた。


「皆まで言うな、なずな嬢。俺には分かったぞ」

「えっ、な、何がですか……?」

「ずばり“トップシークレット”というヤツだろう!フッ、俺も君くらいの年の頃はスパイやCIAのエージェントに憧れたもんだ。まぁ芸人への憧れには及ばなかったけどね」

「……あ、ありがとうございます……?」


勝手に、しかも絶妙な正確さで言い当てられ困惑したが、これ以上追及されることはなくなったため、一応お礼を言っておく。


「じゃあ一緒に来た2人ってのを聞いても?」

「あ、はい」


それくらいなら話しても大丈夫かな……

コガネを使えば高羽さんでも調べられることだし。


「一緒に来たのは私の同級生で、伏黒くんと虎杖くんっていいます。2人とも私よりずっと強くて……」

「ほほう、なずな嬢は紅一点か!そりゃ2人も心配するだろうな」

「ぁ……」


紅一点と言われて強い違和感を感じる。


不意に思い出したのは未だ目覚めない野薔薇のこと。
もしあの時新田と一緒に戻ってきていたのなら今も……と思わずにはいられない。



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