第22章 呪い合い、殺し合い、
「なんだオマエ、過去の術師じゃなかったのか」
伏黒は麗美の後ろを歩きながら少し会話していると、麗美は腰に手を当てて不服そうに振り向いた。
「オマエはやめてってば。私、そんなに時代遅れに見える?」
服装からはよく分からないし、何より時代遅れかどうかは伏黒にとってはどうでもいい。
だが、現代の術師というのなら巻き込まれた側のはず。
戦いたがりの過去の術師よりは話が通じると思っていた。
しかし、実際には待ち伏せされ奇襲を受けた。
「積極的に戦う理由はなんだ?」
「……あのねぇ、非泳者の一般人は結界から出してもらえたみたいだけど、始めから結界の中にいた泳者はねぇ、死滅回游に参加して今日で12日目よ!?」
右手の人差し指を立てて1、左手の人差し指、中指を立てて2と示す麗美。
「私だってやりたくてやってんじゃないの!殺らなきゃ殺られるの!!戦う理由を探してる間に殺される。12日もいればそれくらい分かるわ」
両手を下ろした麗美は後ろに手を組んで再び歩き出した。
「その過程で力に溺れてく奴も見たわ。過去のだ、現代のだで考えるのはやめることね」
成程……
初日から回游に参加させられている術師はずっと何もしなければあと1週間の命だ。
焦って点を稼ごうとするのも納得がいく。