第22章 呪い合い、殺し合い、
でも……
生存が分かっても離れ離れという事実は変わらない。
問題はどうやって合流するかだ。
これまでの経験上、こういう時は真っ先に連絡を取るべきなのだが、肝心の連絡手段がない。
周りに尋ねようにも一般人は見当たらないし、呪霊は論外、過去の術師なら襲ってくるかもしれない。
―逆に津美紀と同じ巻き込まれた現代人の術師なら、むしろ積極的に情報交換できると思う―
頼みの綱は回游に巻き込まれた現代の術師。
現代の術師を探して日車寛見の居場所を聞いてみる。
3人とも目的は同じなのだからその途中で合流できる可能性は大きいはずだ。
なずなは眼下の呪霊を睨む。
まずはあの呪霊を祓ってこの一帯に撒き散らされた毒ガスをなんとかしなければ。
祓ってさえしまえばきっと毒ガスも消える。現代の術師を探すのはその後だ。
幸い呪霊の動きは鈍い。
狙いを定めて飛び降り、一撃で離脱すれば息を止めていてもなんとか祓えると思う。
少し気になるのはあの呪霊の弱点が分からないこと。
人型の呪霊であれば弱点は大体頭部と心臓、それは他の形状の呪霊にも当てはまる。
けれどあの呪霊は頭部や胸部がどこか分からないし、そもそも頭や心臓があるのかも不明だ。
だから狙うのは一刀両断。
真っ二つにすれば少なくとも大ダメージを入れられるはず。
もしそれで祓えなければ同じことを繰り返して細切れにしていけばいずれ祓える。