第21章 ネクストステージ
だが今度は虎杖が待ったをかける。
「待って、俺と伏黒は別の方がいいかも、宿儺が……」
「うるせぇ」
「『うるせぇ』はねーだろ!?」
「先輩達3人の役割は動かせない、我儘言うな」
「ワガママ!?こっちは心配してやって……」
「オマエ、それ毎回言うつもりか?面倒くせぇ、時間の無駄だ」
宿儺が伏黒に何かするやもと危惧する虎杖とにべもない伏黒、別にいがみ合っていないのにメンチの切り合いのようになってしまう。
「け、喧嘩はやめよう?も、もし宿儺が出てきたら私、頑張って止めるから……!」
耐えられなくなったなずなが口を挟んだ。
その震え声に虎杖も伏黒も応酬を止める。
「止めるって……宿儺はオマエの手に負えねぇだろ。もしもの時は俺を囮にしていいから逃げることだけ考えろ」
「いやそれじゃダメなんだって」
「虎杖は黙ってろ」
「えぇぇ……」
虎杖を遮った伏黒はなずなを見つめる。
だが返ってきたのは頑なな答えだった。
「伏黒くんを囮になんて、そんなことできないよ……!それに結界内じゃ逃げ場所なんてない。止めるしかないよ」
「……虎杖を殺すってことだぞ。分かってるのか?」
「う、うん……」
きゅっと口を引き結んで頷いたなずなに何も言えなくなる。
「こんな時にケンカすんなって」
パンダに仲裁され、3人ともそれ以上口論することはなかった。