第21章 ネクストステージ
「やっぱいねぇなー、天使!」
虎杖がコガネに表示された泳者の一覧を何度確かめても“天使”と名のつく者は見つからない。
横から見ていた伏黒となずなも首を横に振る。
すると横からパンダが口を挟んできた。
「本名じゃないんだろ、オマエの宿儺みたいに」
「むむ……」
「天元様は東京の東側……第2結界にいるって言ってたよね」
コガネに第2結界の泳者を表示させてもう一度確認するが、やはり見当たらない。
「姿は分かってんのか?」
「見れば分かるそうです」
伏黒の言葉に秤は一気に怪訝そうな顔になる。
「大丈夫か、それ……ま、いいや、俺とパンダが東京第2、伏黒きゅんと虎杖、渡辺が第1、綺羅羅は結界外で待機でいいな」
「根拠は?」
「得点だけ見れば一番強い鹿紫雲と俺がやんのが順当だろ。パンダは鼻が利くから天使捜しに注力しろ」
確かに、とパンダが頷いた向かいで綺羅羅は抗議した。
「えー、私は仲間外れぇ?」
「乙骨から連絡ねぇってことは結界の中じゃ携帯は使えねぇ。外の状況を把握できる奴はいた方がいい」
「はぁい……」
渋々といった調子で口を尖らせながら、綺羅羅も承諾。