第21章 ネクストステージ
虎杖となずながハッとして伏黒を見る。
「コガネ、得点が100以上の泳者だけリストアップできるか?」
「!」
「俺は虎杖悠仁に憑いてるからなぁ」
「あ、いいよいいよ。伏黒の言うことは聞いて」
すぐ画面に「検索中...」と表示される。
「津美紀のような巻き込まれた人間は焦って結界から出たがらない限り……受肉した過去の術師も各々何か思惑があって羂索と契約しただけで、必ずしも死滅回游に対するモチベーションが高いわけじゃない」
検索結果を待つ間、伏黒が考察を話す。
「鹿紫雲のように点を持て余している奴がまだいるとしたら」
「……そっか、100点以上持っててルール追加する気がない奴!ソイツを伸して」
「津美紀が回游を抜ける穴を作らせる」
「出たぜ」
通知したコガネの画面を確認すると……
鹿紫雲 一
得点:100
変更:01回
滞留結界:東京第2
日車 寛見(ひぐるま ひろみ)
得点:102
変更:00回
滞留結界:東京第1
もう1人……!
「よし!まずはネックの総則8を逆手に取る」
「総則8って何だっけ?」
虎杖とパンダが口を揃える。
これにはコガネが答えた。
8、参加または点取得後、19日以内に得点の変動が見られない場合、その泳者からは術式を剥奪する。
「ルール追加で“泳者間での点の譲渡を可能にする”、これで身内で点を回し続ければ、術式を剥奪されて死ぬことはなくなる」
「できればルール追加はもう1つ、“点を消費して死滅回游から離脱できる”」
「それは例の“永続”に抵触するんじゃねぇか?」
「俺もそう思います。でも“非泳者を死滅回游に引き込む身代わり条件を盛り込めばいけるかもしれません」
「確かにな。その辺はコガネが決めんのか?」
こればかりは実際のルール追加時点でないとどちらに転ぶか分からない。
だが方針は固まった。
「何にせよ、やることは決まったな」
「ああ、獄門疆の封印を解ける“天使”を捜しながら、鹿紫雲一と日車寛見を狩る……!」