第21章 ネクストステージ
まだどこの結界にも入っていない虎杖にコガネが憑いているのは何故なのか。
そこで虎杖は羂索の言葉を思い出す。
―虎杖悠仁のように呪物を取り込ませた者―
―私が配った呪物は1000年前から私がコツコツ契約した―
―私と契約したのは……―
次に思い出したのは五条の言葉だ。
―ソイツは実在した人間だよ。1000年以上前の話だけどね―
「宿儺だ」
すくな?と疑問符を浮かべる3年生。
「宿儺も羂索と契約して呪物に成った術師の1人だったんじゃねぇかな」
その契約に死滅回游への参加が含まれてるのか……?
「でもやっぱりおかしい。宿儺の指はオマエの意志で取り込んだろ。俺が証人だ」
今年の6月、杉沢第三高校での出来事。
あれは虎杖が伏黒についてきて夜の学校に入らなければ……そもそも宿儺の指を拾わなければ起こり得なかったことだ。
これじゃあまるで虎杖が宿儺を取り込むことが前提になって……
だがもし始めから虎杖が指を取り込むことを仕組まれていたら?
返答に詰まる虎杖から視線を外す。
「……後にしよう。虎杖、早速コガネに泳者の情報を出させてくれ」
「コガネ、できる?」
「あいよ!」
蛹のような胴体部が伸びて画面のようになり、泳者の情報が映し出される。
伏黒が指でスクロールしていくと、該当者を発見した。
「コイツだ」
鹿紫雲 一(かしも はじめ)
得点:100
変更:01回
滞留結界:東京第2
「……えっ?ルールを追加したら100点消費するんじゃ……?この表示って累計得点ってこと?」
変更1回となっているにも関わらず、得点が100点から減っていないことになずなが首を傾げる。
これには伏黒が答えた。
「違う、元々200点持ってたんだ。……どういう意図でのルール追加だ?」
「ここ数日で少なくとも40人は殺してる奴ってことだろ。気持ちのいい理由じゃないんじゃねぇか」
「でもこれで俺達は人を殺さずに死滅回游を進められるかもしれない」