第21章 ネクストステージ
「あぁっ!?」
まさかあれだけのダメージを食らっても立ち上がってくるとは思ってもみなかった。
手応えはしっかりあったし、術式を使っていた気配もない。
ノーガードで3発だぞ!?
その前にもしこたま殴った。
「何製だよ、オメェは」
「俺は部品だ。部品には役割があんだろ。呪いを祓い続けるのが俺の役割、それに秤先輩が必要だっていうのなら、アンタが首を縦に振るまで付き纏う」
ボロボロの状態で尚も虎杖は秤を睨んだ。
「先輩、アンタの役割は何だ?」
その眼光には確かに熱が感じられた。
コイツ……
これが部品の“熱”かよ……!
「いいぜ、何発でも……」
「金ちゃん」
仕切り直そうとしたところで、上から綺羅羅が口を挟んだ。
「熱くなってるんじゃない?」
笑顔でウインクした綺羅羅にギクリとする。
……“熱”に嘘はつけねぇ!!
「……オマエら、降りてこい」
「!!」
「取引だ」
指で来いと合図する秤についていけないパンダ、伏黒、なずな。
「……え、解決?納得してもらえたんですか?」
「うん」
「ありがとうございます?」
「いいよ、上の連中は嫌いだけどね、なんやかんや高専で人助けしてた金ちゃんが一番熱かったから」
「うーん……?」
その言葉に首を傾げたのはパンダだ。
正直、秤が人助けしてるところを見たことがない。
むしろ問題を起こしているところしか知らないので、嬉しそうにしている綺羅羅の言葉はイマイチ実感が湧かない。
眼下では虎杖がもう1発軽く殴られていた。