第21章 ネクストステージ
「なぁ虎杖、なんで俺だよ、俺達初対面だよな?なんで俺を頼る」
「先輩達がアンタを強いと言ったからだ」
「だと思ったよ」
そう言うや否や虎杖は容赦なく殴り飛ばされた。
なんだこの人の打撃は……!?
威力の大小以前に“痛い”!
ヤスリのついたバットでぶん殴られてるみてぇだ……!
「術師が術師にするお願いは“一緒に命懸けてください”が前提だろーが!テメェは俺に命を懸けさせるだけの“熱”を今!ここで!伝えなきゃなんねぇんだよ!!」
だが先程虎杖の言葉は正反対。
「それを言うに事欠いて人に言われましただぁ!?夜蛾のオッサンは何してんだよ、こういうヘタレは間引いとけや!」
それでも虎杖は諦めずに立ち上がる。
「俺に熱なんてねぇよ」
「あ?」
「俺は部品だ。術師が呪いを祓うため、祓い続けるための“部品”」
「オイオイオイ、マジかオマエ、超つまんねぇじゃん」
ヤバイ!
これ以上は……!
身体が保たない、と危険を感じた伏黒が身を乗り出す。
「虎杖!もういい!」
しかし虎杖は秤の渾身の一撃を避けなかった。
鈍い音が響き、錐揉みになって吹き飛び、駐車場の柵にぶつかって倒れた。
「痛ぇだろ。五条さんが言うにはな、俺の呪力は他の奴よりザラついてるらしいぜ」
虎杖は起き上がらない。
「……死んだか?」
秤はパンダ達の方を向く。
「おいパンダ!……とウニ頭に女のガキ、さっさと虎杖連れて失せろ。二度と……」
ここへ来るなと言いかけた秤のすぐ後ろに虎杖が立っていた。