第21章 ネクストステージ
早速伏黒が現状を詳しく話そうと口を開きかけたその時、モニタールームのドアが大きな音を立てて吹っ飛んだ。
「虎杖!?」
思わず音のした方に目を向けると、ドアと一緒に放り出されて起き上がったのは虎杖だった。
モニタールームの奥からは秤が息巻いて出てくる。
殴られた痕が目立つ虎杖は秤を見据えながら口を開いた。
「伏黒、渡辺、パンダ先輩、3人とも手ェ出すなよ」
「ナメるじゃねぇか」
ぐるりと肩を回した秤はそのまま虎杖の顔面を狙って右拳を振り向ける。
その拳はまともに虎杖に入り、駐車場の中ほどまで殴り飛ばされた。
一切抵抗しない虎杖の姿勢に秤は眉を寄せる。
このガキ!
さっきから避ける気がねぇ……!
それでいて降参する気配もないのだ。
「イカれてんな」
一方虎杖は殴り飛ばされても手をついて起き上がった。
顔面に拳を食らったせいで鼻血を流しながら、それでも秤を睨みつける。
これは渋谷での戦いとは違う……!
秤先輩に俺を認めさせるための儀式だ。
もう避けねぇ、反撃もしねぇ……!
この人が折れるまで!!
「面白ぇ、話は聞いてやる。オマエが立ってる内はな」
虎杖の表情から言わんとすることを理解した秤が虎杖に近づいていく。
一方的な殴り合いをパンダ達と一緒になってハラハラしながら見ていた綺羅羅が声を掛けた。
「金ちゃん!この子達、金ちゃんに助けてほしいんだって!話を聞いてあげて!!」
「今聞くっつったろ」
伏黒となずなは展開についていけずに互いの顔を見合わせる。
「……じゃあいいのか?」
とパンダも半信半疑。