第21章 ネクストステージ
伏黒の反応に綺羅羅は自分の頬を叩く。
「!、クソッ」
顔に出た、お互いに……!
『マジか』って顔したなぁーっ
私の術式のモチーフが南十字星だという確信はなかったんだ!
けど私も『マジか』って顔しちゃった!
確信を与えちゃった!!
このまま術式を看破されればモニタールームに入られる。
そうならないようにここで足止めする!
対する伏黒はすぐには動けなかった。
マジで南十字だった。
津美紀に感謝だな。
津美紀は星座が好きで、夜中に伏黒を外に連れ出しては教えてくれたのだ。
けどこれ以上は何も知らん……
つーか、南十字座って4つじゃないのか?
十字の頂点に1つずつで……
「恵〜、俺には何が何だか」
「私も……」
伏黒のいるロフト部分にパンダとなずなが上がってきた。
伏黒とパンダには異なる星がついているが、問題なく近づける。
「先輩、南十字座って星4つですよね?」
「え?そりゃ十字だし……」
パンダは指でバッテンを作る。
それぞれの頂点に星があるはずだ。
「綺羅羅さんの術式は、それぞれに南十字の星を割り振って適当な距離を取らせるものだと思ってたんです。でも綺羅羅さんは扉に近づけるし、俺とパンダ先輩も近づける」
それでは話が合わない。
「だからこの術式はルートの決められたスタンプラリーとかすごろくみたいなもので、それぞれに近づける順番があるんじゃないかと思います。そんで、同じ星はくっつく」