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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ




秤は電話に出ることもなく、少し視線を落としただけで、虎杖に尋ねた。

「虎杖、何か飲むか?」

「あ、じゃあ適当に、酒以外で」

虎杖が机を動かして秤の前に持ってくると、グラスが2つ置かれる。

「なんだ、弱いのか?」

「強い弱い以前に未成年」

「気にするタイプにゃ見えねぇな」


そう言いながらも2つのグラスにコーラを注ぐ。


「知ってるか?五条悟も下戸なんだ」

「へー?」

虎杖は知らないフリをしてグラスに口をつける。

「五条って誰?っていうか、『も』って俺は別に……」

下戸じゃないと思うけど。



「……あのなぁ」

秤の声が1トーン低くなる。

「五条悟を知らない術師がいるかよ」

ドキッと虎杖の手が止まった。


「なんで知らないフリした?」

秤はコーラを一気に飲み干すと、カンとグラスを机に置き、ダラダラと冷や汗を流す虎杖を見据える。


「オマエ、高専の回しもんか?」

「!!、聞いて!俺は―……」

言おうとしたところで目の前に空になったグラスが飛んでくる。

それを手でガードすると、今度は腰に電車のドアのようなものが現れた。

勢いよく閉じられるドアを飛んで避ける。


「ちょ……!聞っ」

そこへすかさず秤の膝が飛んできた。


「聞いでっ!」

避けようと虎杖が後退ったところへまた電車のドア。
首を挟み込まれ、息が詰まる。

「綺羅羅からのTEL番での着信はな、異常事態の合図なんだよ」

尚も秤の攻撃は止まない。

顔を殴られ、蹴り上げられる。
立場的に積極的に反撃することもできず、虎杖は防戦一方になってしまう。


だがこのままでは目的を達成できない。

連撃の合間を見極め秤に接近すると、上着の襟を掴んで頭突きする。


「聞けよ……!」

「嫌だね、冷めちまってるからな……!」



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