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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ



一方、モニタールーム内では―


爆音のBGMが流れる中、虎杖が秤と対面していた。

紫色に染めた髪、三等分に切れ込みの入った特徴的な眉の下に鋭い眼。
綺羅羅から聞いた通り、確実に自分より2つ以上年上であろう年恰好の秤 金次。



「虎杖、1日1時間あることをするだけで月収100万円に、って言われて信じるか?」

秤がソファに座ったまま口を開いたと思ったら、予想だにしないことを問いかけられた。


「……ん?それは“あること”次第だろ」

「だがその“あること”を知るには20万円の情報商材を買わなきゃならん」

「えぇ……それは信じらんないなぁ」

もしかしてそういう話があるのかとちょっと身を引く虎杖を気にせず、秤は足を組み替えて続けた。


「そう、オマエが感じた通りこれは典型的な詐欺だ。騙す側は金持ちを装って金持ちの成り方を売り、金を手に入れる。普通に考えれば分かることだが、騙されるアホはアホ程いる」

秤が人差し指を立てる。

「何故か……それは全て“熱”のせいさ」

「熱?」

「騙す側も騙される側も持っている『ここで人生変えてやろう』って“熱”さ。“熱”に浮かされて人は判断を誤る。だが“熱”がなければ人は恋一つできない。俺は“熱”を愛している」

「よりダイレクトな“熱”のやり取り……何か分かるか?」

「……ギャンブル?」

「クックッ、やっぱりオマエは分かってる。生きることはギャンブルだ。賭け事を嫌悪して俺を振った女は山程いるが、奴らは根本を間違えている」



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