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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第6章 真昼の逃避行



なずなは衝撃に備えてギュッと身構えるが、予想外の柔らかい感触に包まれた。


「よっと、ナイスキャッチ。生きてるか?東堂に挑むなんて命知らずだなぁ」

「パンダ先輩!?」

自分を受け止めた真っ黒な腕をたどって顔を上げると、パンダが少し気まずそうにしている。

「いや〜、嫌な予感が的中したな。なずなはここで待ってろよ」

「でも伏黒くんが!」

「今から俺達が助けに行くから」

「しゃけ」

パンダが安心させるようにポンとなずなの頭を撫でる。









「やる気がまるで感じられん。さっきの女子の方がまだマシだったぞ」

「下手に出てりゃ偉そうに……そこまで言うなら、やってやるよ」

強烈な掌底で突き飛ばされた伏黒がゆらりと立ち上がった。

かすかに退屈が裏返る予感がして、東堂は思わず笑みを浮かべ、突進を仕掛ける。


『動くな』


「何やってんの!!」

狗巻の呪言で動きが止まった東堂をパンダが殴り飛ばす。

「ふぅ、ギリギリセーフ」

「おかか……」

狗巻が負傷した伏黒を助け起こし、咎めるように言う。

「まぁ、アウトっちゃアウトか」


パンダに思い切り殴られても東堂は大したダメージを負っていない。


「久しぶりだな、パンダ」

「なんで交流会まで我慢できないかねぇ。帰った帰った。大きい声出すぞ、イヤーンって」

「言われなくても帰るところだ。……上着、どこだっけ?」

最初に入口に置いてきたんだっけか。
今後の重要な予定を考えると、そろそろ切り上げないといけない。


「どうやら退屈し通しってわけでもなさそうだ。乙骨に伝えておけ、オマエも出ろと」

心底面倒くさい。というか、そんなこと伝えても海外の任務を外せるわけがない。

「オレ、パンダ。ニンゲンノ コトバ ワカラナイ」

「しゃけ」



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