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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ



方針が固まったところで、なずながあ、と何か思いついたように小さく手を挙げた。


「どうした?」

「えっと、見間違いじゃなければなんだけど……パンダ先輩がいた、ような……?」

イマイチ確信が持てず、なずなの語尾は自信なさげだ。

だが他の先輩ならいざ知らず、パンダを誰かと見間違えるのは考えにくい。


「さすがにパンダ先輩は見間違えないんじゃね?」

「そ、そうだよね、パンダの着ぐるみ着てる人なんてこんな所にいないよね……?」

「……でもそうなると、もうここに入ってるのか」


パンダなら秤とも顔見知りのはずだ。

もしかするともう協力を取り付けているのかもしれない。
会えたら聞いてみよう。









そして夜―


虎杖は駐車場の一角で最初に伏黒に殴りかかろうとした大男から賭け試合についての説明を受けていた。

伏黒も一緒に潜入したが、既に分かれている。




「ルールは2つ、“逃げるな”“術式は使うな”」

「なんで?俺は別に術式使ってもらってもいいけど」

「客はほとんど非術師、見えない側だ。見えない勝負をされても盛り上がらん」


成程、あくまで賭け試合だから観客を楽しませる前提なのか……


「“逃げるな”の方は?」

「“客の見える範囲で戦え”ってことだ」

「どこまでも客だなぁ」

「当然だ。ビジネスだぞ」


……とてもビジネスマンには見えないのだが、そこは敢えて突っ込まないでおき、自然を装って探りを入れてみる。


「胴元ってどんな人?」

「気になるか?」

「まぁね」

「会えば分かるさ」

「会えんの?」

「試合には2種類ある。今日のトーナメントのような脚本なしのガチンコと脚本ありの八百長。脚本はもちろんボスが書く。ここでうまくアピールできたら声がかかるかもな」


「要は派手に暴れりゃいいわけだ。話が簡単になってきた」



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