第21章 ネクストステージ
翌日―
夕方になる頃にやっと虎杖達は天元から教わった秤の根城、立体駐車場跡地に到着していた。
ただし、いきなり突入するのではなく、付近の林に身を隠している。
そこで伏黒が虎杖に高専の制服を着替えるよう指示し、虎杖が聞き返した。
「なんで着替えんの?」
「秤さんは上とモメて停学くらったんだ。呪術規定も現在進行形で破ってる。高専関係者ってバレたら逃げられるかもしれない」
自分を捕まえに来たと勘違いされては交渉どころではない。
逃げられたらここまで来た意味がなくなるし、協力なんてもっての外だろう。
そこは虎杖にも理解できたので着替えることにする。
おもむろに制服を脱ぎ始めた男子2人に慌てたのはなずなだった。
「わ、私、あっちに行ってるねっ」
恥ずかしそうに目を逸らして藪の中に入っていってしまう。
しかし、すぐに何か思い出したように戻ってきた。
「私も着替えた方がいい、かな……?」
「えっ、ここで着替えんの!?」
藪に隠れてといってもここは屋外、誰に見られているとも限らないのでそれはマズいんじゃ、と言おうとしたら、伏黒がすぐ返事した。
「オマエは着替えなくていい。ひとまず俺と虎杖で様子見する。3人とも顔を見せる必要はないからな」
伏黒もさすがになずなを屋外で着替えさせるつもりはなかった。