第21章 ネクストステージ
明日からまた忙しくなるし、せっかくちゃんとした場所で休めるのだから、身体を休めるに越したことはない。
伝えたいことを伝えてお互いに納得した後、伏黒はなずなを部屋まで送っていた。
「今日はありがとな、しっかり休めよ。おやすみ」
「おやすみなさい、伏黒くんもちゃんと休んでね。あまり思い悩まず……って言っても無理かもしれないけど……私も一緒に考えるから1人で抱え込まないでね」
いつでも聞くよ、と言ってはにかみながら笑ったなずな。
その姿がとても愛しく見えて……
伏黒は衝動を抑えきれずにその小さな唇に己の唇を柔らかく押し当てていた。
「!?」
「っ、悪い、つい……!」
「だ、だだ、大丈夫っ、ちょ、ちょっとびっくりしただけっ」
ビクッと大きく肩を揺らしたなずなを見て、伏黒は慌てて唇を離す。
お互い顔が真っ赤だ。
「あのっ、えっと、その……!」
「キス、してもいいか?」
「えっ!?あっ、と……で、でも、こ、心の、準備というか……あの、」
首元まで赤くなったなずなは伏黒を直視できないようで左右に忙しく目を泳がせている。